悪夢

本当に怖い悪夢を見た。


帰り道、ふと財布を開くとそこに川口のマウスピースが挟んであった。
そこで重要なことを思い出す。


そうだ、人を殺しちゃったんだ…。


きっと2人目に殺したおっさんの持ち物、適当にゴミ捨て場に捨てちゃったから、そこら辺からすぐにばれるんだろう。
そんなことを考えていると、実家の付近の警察署から携帯に電話が掛かってきました。そのときにはもう、僕は自首する気でいました。電話の向こうにその旨を伝えると、「既に家には警官が居るからその人たちに話すといい」と、やさしい口調で言ってくれました。家に居た警官に話しながら僕は、やっと殺人の全貌を思い出しました。


最初の殺人は電車の中でした。よく覚えていませんが、なにかの拍子で僕がキレて、気づいたら今にも死にそうなおじいさんにかなり強烈なデコピンを食らわしました。
おじいさんはその場でフラフラと倒れましたが僕はそれを無視し、車両を変えました。そのおじいさんは亡くなっている、と確信しながらも。


2人目は、僕のことを追いかけてくるおっさんでした。何か言ってくるおっさんを無視しながら電車を降り、街を歩き、人通りの無いところでまできました。
そこで振り返り持っていたペットボトルでおじさんを殴りつけました。倒れたおじさんの荷物をゴミ捨て場に捨てたところで目撃者に気づいてしまいました。


3人目はその目撃者、川口でした。その頃にはもう我を忘れ、気づくとマウスピースだけを捨てられずに、手に握りしめていました。


一部始終を聞いた警官は青い顔で言いいました。
「今の話を聞く限り、君は間違いなく重罪だ。きっと刑務所からは出られないだろう」
「え、そんな…」
「そのうち、刑務所で死ねればいいやっておもえてくるんだ」



許してください!許してください!と泣きながら連呼しているところで目が覚めました。



怖すぎる。
自分が平気で人を殺せるような気がした…。昼寝なんかしてるからだ。